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第5回【 理念night 】開催レポート

目次

2019年12月6日(金) 理念づくりにまつわるトークイベント『理念night』が開催されました。
主催は理念づくりを専門とされている、ココロイキ代表 大野 幸子 氏。


大野 幸子 氏(以下、大野):私はこの活動をはじめてからトータル57社の理念を作らせていただきました。
基本4,5時間ヒアリングをさせて頂き、その人の現在と未来と過去の繋がりを解きほぐしながら核を見つけるセッションを行っています。

そして1週間後に提案書をお渡しするのですが、ただ理念だけお伝えするだけでなく、私は1000文字程度で綴った提案背景を添えてお渡ししています。

そうした中で周りから「理念作成の背景を知りたい」という声を頂くようになったことをきっかけに、この理念nightを開催するようになりました。第一回目はちょうど一年前。ライブ配信等の開催方法も含めると、今日は9回目になります。

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スピーカー

■株式会社ライブリッツ・アンド・カンパニー
代表取締役 小野 史人 氏
https://www.lybritz.com/

■株式会社ジオグリフ代表取締役
田畑 豊史 氏
http://trace-on-earth.com/

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大野:まず始めに簡単な自己紹介をお願いします。

小野 史人 氏(以下、小野):私は今、経営コンサルティング会社を経営していて、今年で10年目になります。会社が傾いているような時期のお手伝いをさせて頂くことが多いので、取引先の業績がちょっと良くなると褒められます(笑)

大野:そんな謙虚な小野さんですが、同規模のコンサル会社と比べると格段の実績数で、年に一人選ばれる「中小企業庁長官賞」も受賞されているんですよね。10年経営をしてきた小野さんが、どうしてこのタイミングで理念をつくろうと思ったのか。ぜひ楽しみにしていてください。

続いて、田畑さんお願いします。

田畑 豊史 氏(以下、田畑):

私は今、システム開発事業を行う会社を経営しています。システムデザイン・設計の他、企画・構築サポート等も行なっています。

大野:そんな田畑さんは現在のお仕事をされる前、画廊での経験や、花農家、震災支援を3年されている等、一見バラバラに見えるキャリアですが、ある一貫した哲学がありまして…。あとからその辺も解説しますので、楽しみにしててください。

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Q.どうして理念づくりをしようと思ったのですか?

小野:実は私は独立した一年目にも理念を作っていたんです。当初は一人で作った会社でしたが、徐々に規模が大きくなり、やがて経営コンサルティングファームをつくりたいと思うようになったんですよね。その中で既存の理念が合わなくなってきて、“もうワンステップ上がるために新しい理念が欲しい” と思い、大野さんに依頼しました。

大野:その際に小野さんが言われた言葉がかっこよくて…。

「今のままでもいける。だけど、ステージを変えるために」

「自分を信じて、動ける言葉が欲しい」

小野:(良いこと言ってる 笑)

大野:まさに、経営者は自らが実践していかなければならい、ある意味孤独な存在。だからこそ「信じれる言葉が欲しかった」、そう仰ってましたね。

田畑:僕は企業した際には理念は用意していませんでした。なぜなら頂いたご縁や、困りごとに向けて動いていたから。だけどいつの間にか他社の経営もお願いされるようになってきて、“僕は一体なにをやっているのだろう” と自問自答するようになっていたんですよね。その時にしっかりと自分を鏡に写してみたかったのかもしれません。例えるなら「鏡」が大野さんで、「像」が理念ですかね。

大野:いやー、今日の服装といえ、おっしゃる言葉の重みといえ、作家みたいですよね。けど、システム開発の方ですよ(笑)

そんな素敵な感性をお持ちの田畑さんですが、出会ってほぼ初めましてで、私が過去に作った理念をご覧頂いたのですが、その際に涙されました

田畑:はい。胡蝶蘭農家の方の理念だったのですが、僕も同じく花屋をやっていたので…。こんなにも鮮やかに深く事業の意義を映し出す言葉があるのか、これが理念なのか。と戦慄が走ったのを覚えています。その時、僕もいつか理念を大野さんに、と思いましたね。

大野:「いつか作ります!」と宣言してくれましたよね。

これは理念づくりを通して感じることなのですが、理念はつくりたくなったタイミングでつくるもので、一生に一度のことかもしれません。
そんな貴重な機会なので、理念づくりをお願いいただくと、相手を祝福したい気持ちでいっぱいになります。よくぞ、ご自分の人生の意味を、受け取る機会を得られましたね、と勝手に感激しています。

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Q.理念をつくっている時間は、どんな時間でしたか?

田畑:一言で表すと、自分を覆っているものを脱がされている状況ですね。さらにそこに本当に服があるのかどうか分からないものも全部脱がされているような…(笑)。

あとは、バッターボックスに入ってるのに、急にサードに投げられて、そのボールを取りに行くような感覚でした。

「今までにない豪速球でボールを投げまくった時間」

大野:そうそう。5時間のセッション、田畑さんは相当ハードだったと思います。「セッションは、毎回こうなんですか??」と何回も驚かれましたよね。私もその度に、「いいえ、違います。田畑さん仕様です。」と答えていました(笑)

その甲斐もあり、田畑さんの理念は3秒で降りてきた、私の中で代表作の一つだと思います。

ー 田畑さんの理念 ー

夢に、仕組みを。
未来が続く美しい仕掛けを社会に実装し続ける。

小野:私はそうですね、自分をろ過していく感覚ですかね。質問を通し、自分の気持ちを未来に出していく中で、残したい素直な思いだけを抽出する。不純物(課題)も見えてくるが、一旦それは残す。そうして出来上がった理念は研ぎ澄まされたものになりました。

一つ一つ向き合う時間の中で、新しい気づきもありましたし、コーチングを受けているわけでは無いけれど、すっきりした気持ちにもなりました。

大野:そう仰って頂けてよかったです(涙)。小野さんは普段からたくさんのお客様と向き合っていらっしゃるし、考えてきた歴史が長い分、良い意味で…私にとっては

「手応えのない時間…」(笑)

やっぱり、4時間セッションしていると、何か大きな気づきがあって欲しいじゃないですか。でも、小野さんはいつも深く考えている方なので、大きな気づきを起こしたいというのは、私のエゴでしたね(笑)

1週間後の提案書をお渡しする際、前代未聞の「僕も作ってみようと思ったんですよね!」って、、、

小野:大野さんと文言が一致するというミラクルを期待していたんですけどね(笑)。

大野:で、小野さんがつくってきた理念は、私が「やられた!」と思うくらい素晴らしかった(遠い目)。私の提案は、小野さんに刺さらずでしたが、私が理念の他に持って行っていたキャッチコピーを小野さんがすごく気に入ってくれて、この2つをくっつけてみようかとなったんですよね。

そして、前半部分は小野さん考案、後半は大野が考案、と合作した、まさに「共創」の理念がこちら。

ー 小野さんの理念 ー

成⻑の歴史と証を共に創り、
心を、組織を、未来を動かす

小野:自分だけで考えていたら前半の言葉しか出てこれなかった。大野さんが整えてくれた結果、合わせて120点の理念になりました。

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理念の説明

小野:今の主な仕事は、クライアントの苦しい時期を一緒に乗り越え、再生成長させること。だからクライアントの未来を動かし、思い出と歴史を積み重ねることで、うちの成長も重ねていきたい。そういう想いを込めました。

大野:ヒアリングの際、「クライアントには業績回復して早く卒業してもらいたいけど、内心ずっと一緒にいたいんだよなー」って、仰ってましたよね。それを聞いて、せっかくお願いするならそういう人が良いよなって私は思いました。

小野:ありがとうございます。そうなんですよね。成功するタイミングも一緒に見ていきたいんですよね。

大野:この理念を他の人に見せた際、経営コンサル会社に「心」という言葉が入っているが良いですよねと言われました。職業柄ロジカルな印象が強いのかと思っていたのですが、お客様と同じ目線で寄り添いながら進めている小野さんの様子が、物凄く伝わりました。

またお二人の理念に共通するのが、普段入れるとチープになりがちな「夢」とか「未来」という言葉を入れたのですが、そうならなかったこと。

田畑:本当は僕自身も「夢」という言葉はあまり好きではなかったけど、下のコピーがあるからこそ、その言葉の意味を成しています。

大野:特に社会に“実装する”、ではなく、”実装し続ける“ という言葉もポイントですよね。

田畑:はい。それは、3年半東日本大震災の震災地で支援をしていたことに繋がるのですが、必要なことと分かってはいるけれど、提供し続けることが出来なかった。ボランティアって基本無償で行うのですが、それだけだと続けることが難しかったんですよね。

本当に必要なものならば維持していくことを仕組みの中に残さなければならない。

そうした “継続することが美しい”ということを、理念に込めて頂きました。

大野:あと今日は、みなさんにお伝えしたい知見があります。以前学生の授業の際に田畑さんのこの経歴を例に出させて頂いたのですが、

田畑さんのこれまでの職業遍歴をみせたら、絶対、「軸がない」って言われますよね。

だけど、本人の中には “アンバランスのものにバランスを作るのが好き” という、軸があって、しかもそれに高校生の時から気づいていた。

だから大事なのは、表面上の「職業」という肩書きではなくて、「なぜその仕事なのか」という中身なんだよと言うことを、最近学生にも伝えています。

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Q.理念をつくった後の変化や成果は?

田畑:これは、そういうタイミングだったから理念をつくった、ということかもしれないけど、とにかく仕事が倍とかいうレベルではなく来るようになりました今までは全て受けていたけれど、仕事を選べるようになり、理念が出来たことで “どの仕事を取るべきなのか?” という、物差しとして捉えられるようになりました。

大野:それはすごいですね!まさに「世界はあなたを待っている」と思っていて、「あいつが整った!」という感じで見えない世界でエネルギーが動くと思っています。そうした物差しがあると、判断の精度と速度も上がりますよね。

小野:私は、次の10年に向けて、より意識的に仕掛けるようになってきた気がします。

大野:ちなみに以前、目標はM社だって。

小野:はい。中小企業に特化したマッキンゼーを目指したいんです。

大企業は資金も潤沢で、優秀な人材が多く集まり、贅沢に変革できるチャンスはたくさんありますが、中小企業はそうとは限りません。その分、自身の発言が直に影響を与えます。だからこそもっと視座を高めて周りの期待に応え続けたいですね。

大野:素敵ですね。あっという間ではありますが、最後にお二人にとって「理念」とはどのようなものでしょうか?

田畑:(武士家系が故に)脇差しのような役割ですかね。刀と言う表現をしましたが、同じようにちゃんと見えるようにオブジェクトにしていく必要もあると思います。

小野:雑念を取り払って考える「座禅」ですかね。私にとっては、一旦立ち止まって考える、原動力となる時間になりました。

大野:ありがとうございます!最後まで感性の素敵なお二人でした。

ライター:Terashige Saori

ーお知らせー

軸が定まり人が集まる理念のつくり方セミナー
https://goo.gl/Kf496e

セミナー日程
12月16日(月) 19:00-21:00
1月23日(木)   19:00-21:00
2月19日(水)   19:00-21:00
3月19日(木)   19:00-21:00

理念night 〜挑戦者の想いに耳を傾けるひととき〜
https://goo.gl/ap3gS6

※次回開催は2月を予定しています。開催が決まり次第ストアカのページでお知らせしますので、「受けたい」登録をお願いします。

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筆者プロフィール

大野 幸子(おおの ゆきこ)
ココロイキ 代表 / 挑戦者の翻訳者

理念コピーライター。「挑戦者の翻訳者」 として、事業家のあふれる想いを、理念・ビジョン / 社名 / 商品名として言語化。 言葉で軸を定めるプロ。2年で58社の制作実績。「 人生の美しいものを表現し尽くす」をミッションとし、人が事業にかける想い=理念は人生における最も美しいものの一つとして、尊敬を胸に表現し続けている。

生きる意味を深掘りするインタビューメディア「挑戦者のココロイキ 」編集長

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